地域で提供されているリハビリテーションの種類について

リハビリテーションクリニックを運営していると、どのようなリハビリテーション(以下:リハビリ)サービスが受けられるのか?という質問や相談がとても多くあります。今回は、地域で提供されているリハビリの種類についてまとめたいと思います。

大きく分けると4つになります。

  • 疾患別リハビリテーション(医療保険)
  • 訪問リハビリ(介護保険)
  • 訪問看護ステーションからの訪問リハビリ(介護保険、医療保険)
  • 在宅患者訪問リハビリ指導管理料(医療保険)

疾患別リハビリテーション(医療保険)

  • 心大血管疾患リハビリテーション
  • 脳血管疾患等リハビリテーション(以下:脳血管リハ)
  • 運動器リハビリテーション(以下:運動器リハ)
  • 呼吸器リハビリテーション

この中で外来受診によるリハビリ(入院以外)で提供されているサービスの多くは、脳血管リハ運動器リハだと思います。脳血管リハと運動器リハにはそれぞれ施設基準が1~3と定められており、算定点数もそれぞれことなります。また、標準算定日数があり、リハビリを提供できる日数が定められています。

  • 脳血管リハ180日
  • 運動器リハ150日

算定日数を過ぎても医学的に状態の改善が期待できるのであれば、1ヵ月に13 単位に限り疾患別リハビリテーションを算定できます。しかし、要介護認定者については、13単位を算定することはできません。

基本的には、要介護認定者は介護保険のサービスに移行するというのが国の政策です。その為、通所リハの1h以上2h未満というサービスがそれに当たるかと思います。先日の改定では外来リハと通所リハの施設基準や人員基準の緩和がありました。当院でも朝一限定(9:00-10:00枠)で通える方はこのサービスを実施しています。外来リハを卒業した方の受け皿になっています。

訪問リハビリテーション

病院・診療所(クリニック)・介護老人保健施設(以下:医療機関)から介護保険を利用した訪問リハビリです。

介護保険を利用したサービスですので、要介護認定を受けている必要があります。介護保険認定者ですので、年齢は40歳~64歳の第2号被保険者、65歳以上の第1号被保険者が対象になります。ここで注意が必要なのが、原則は訪問リハビリを行う療法士が所属する医療機関の医師から指示が必要ということです。

以前は、他の医療機関からの診療情報提供書別の医療機関からの医師からの指示でも訪問が現在のところは可能です。

ただし訪問リハ計画診療未実施減算という10%減算での訪問が可能です。介護保険に基づくサービスですので、まずはケアマネジャーに相談しケアプランに反映して頂く必要があります。(2020/04/05現在)

地域で医療機関からの訪問リハビリが伸びないのはこの辺りに原因があると思います。私見ですが、訪問看護ステーションからのリハビリと同じく指示書や診療情報提供書などで、訪問リハビリが実施できる様になると思います。地域では在宅診療を行う医師が増えていますので、柔軟に連携できるシステムが必要です。この辺りは二重診療、主治医問題にも大きく影響してきます。病院で考える所の他科からのリハオーダーと同じ問題でしょうか、、、。地域のリハ拡充とのためには柔軟な対応が必要だと考えます。

訪問看護ステーションからのリハビリ(介護保険、医療保険)

訪問看護ステーションから看護の一環として訪問リハビリ(PT,OT,ST)を提供するというサービスです。
前述の医療機関からの訪問リハビリとサービス内容は変わりません。注意が必要な点としては介護保険と医療保険を利用してサービスの提供ができます。

要介護認定を受けて、医療保険が適応となるケースは以下の通りです。

  • 厚生労働大臣が定める疾病等
  • 特別訪問看護指示書が発行されている(指示書作成から14日)
  • 精神科訪問看護指示書が発行されている

訪問看護指示書は主治医から発行して頂く必要があります。この主治医問題があるため、医療機関からの訪問リハビリより利用のハードルは低いです。実際に現場での感覚としてもケアマネさんが導入しやすいのは訪問看護ステーションからのリハビリです。近年、地域でのリハを広める功績を残せた制度と言えます。現在は訪問看護からのリハビリがないと地域に十分なリハビリを提供できないというのが現状ではないでしょうか。

在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料(医療保険)

医療機関から訪問する医療保険の訪問リハビリです。私たちは「在宅リハ」という呼び方をしています。要介護認定者は介護保険を優先する必要がありますので、介護保険の訪問リハビリが適応となります。

注意点としては、訪問看護ステーションからのリハビリでお話した医療を優先させる場合と混乱してしまいますが、例えば厚生労働大臣が定める疾病(例:ALS)の場合は、訪問リハビリは介護保険が優先となり、訪問看護は医療保険が優先となります。どちらも特定疾病医療費助成制度の対象にはなります。少しややこしいですね。

厚生労働大臣が定める疾病(例:ALS)

訪問リハビリは介護保険が優先

訪問看護は医療保険が優先

在宅リハの対象は、介護保険をもっていない、通院が困難な方(医師が訪問診療をしている場合)です。「在宅患者訪問リハビリ指導管理料は、訪問診療を実施する保険医療機関にお いて医師の診療のあった日から1月以内に行われた場合に算定する。」ですので、1ヵ月に1度の医師の診察が必要となります。

これからの地域リハ拡充について

地域にリハビリテーションを浸透する為に必要なプロセスとして必要なこと

まずは、リハビリを提供する専門職や場所を増やすことがまず大事だと考えています。リハビリを提供する人を増やす為には、今回解説した訪問看護からのリハでも医療機関からのリハどちらでも問題ありません。より多くの必要な人にサービスが届く為には、社会保障制度の幅が必要ですし、有効に活用する必要があります。更には社会保障制度を超えたサービスは今後需要は高まるはずです。社会保障制度には限りがあり、補えないサービスが存在します。

提供する場所の拡充としては、個人的な考えですが、リハビリテーションクリニックが増えれば良いと考えています。しかし、リハビリテーションクリニックを運営している立場から言うと簡単ではありません。

一般的にクリニックは半径500mの勝負と言われています。半径500mにリハビリに通いたい、リハビリの相談の為に受診したいと言う人はどれくらい居るでしょうか??リハビリテーションクリニックを成り立たせる為に必要な要素は今後まとめていきたいと考えていますが、まずは一つだけ

”リハビリテーション+α”

多角的、包括的なアプローチが必要です


当院で標榜している科はリハビリテーション科と整形外科です。このようにリハビリテーションと更に最低一つ何かを専門的に診療できることが必要だと考えています。整形外科とリハビリテーション科は身体機能という面でとても密接ですので、相性が良いというのは分かりやすいと思います。知り合いの医師はリハビリテーション科と皮膚科を専門に診ています。高齢者の方は皮膚のトラブルも多く抱えているそうで、一緒に診察することでとても喜ばれるそうです。

地域にリハビリという言葉が拡充する為には認知されるということが必要です。地域に整形外科が浸透している理由は数が多いということも理由だと考えています。この辺りの数値的な分析は次回に行いたいと考えています。