冨田昌夫と小林純也で創る本(仮)トークショーpart1

今回は2019.12.26に行われたイベントについて紹介したい。

この企画は臨床家の冨田昌夫(以下:冨田先生)が脳卒中患者から理学療法士になった小林純也(以下:小林先生)を治療する過程を書籍にまとめるという内容である。まずは二人の紹介から

冨田昌夫

臨床動作分析―PT・OTの実践に役立つ理論と技術

三輪書店にて発売中

https://www.miwapubl.com/products/detail.php?product_id=2084

冨田昌夫 臨床動作分析

基本概念は、〝治す“ではなく、〝運動学習”。

①生態心理学の知見

②動作や神経系の階層構造

③臨床を融合させた、最新のリハ技術


生態心理学的な考え方の導入で、われわれのアプローチは患者を〝セラピストが治す”という考えから、患者が能動的に活動して自分の身体を知り、環境を探索して知覚することで環境に適応した動作の仕方を見つけ出すことを誘導・援助する、つまり、〝動作の学習を支援する”という方向に大きく転換した。しかも、生態心理学的な考えの導入により、意識した認知的な動作の学習だけではなく、意識できない無自覚なレベルでの運動や動作の学習の必要性も明確に捉えることができた(略)。
身体と重力、支持面の関係を重視するクラインフォーゲルバッハの運動学と生態心理学的な概念はきわめて相性がよく、われわれの治療技術の工夫・改善に大きな力となった。(冨田昌夫氏、『序文』より)

小林純也

脳卒中患者だった理学療法士が伝えたい、本当のこと

三輪書店に発売中

https://www.miwapubl.com/products/detail.php?product_id=2023

小林純也 脳卒中患者だった理学療法士が伝えたい、本当のこと

患者の身体と心の「本当」を知るための架け橋となる


23歳で脳卒中を発症し、その後、理学療法士となった経験をもとに語る脳卒中者の主観と身体感覚。
私たちが想像する以上にもどかしくつらい運動麻痺や感覚麻痺を脳卒中経験者はどのように感じているのか?
障害を疑似体験できる方法を交えながら、経験しなくてはわからない「患者の本当」についてお伝えします。
医療職をめざす学生から経験豊富なベテランまで一度は読んでほしい、おすすめの1冊。

まず、この書籍を制作にするに至った経緯を紹介したい。

2018年に出版された「臨床動作分析」を担当していた三輪書店の編集者が冨田先生の治療をもっとリアルに伝えたい、目の前で繰り広げられる臨床を形にしたいという企画から、実際の臨床場面を撮影することになった。

冨田先生がスーパーバイザーとして指導を行なっている病院に幾つか同行して撮影をさせてもらった。文字通り朝から晩まで、患者の事前情報を担当療法士から聞き、大量のメモをとり、額に汗をかきながら体全体を使って患者を治療する姿を目の当たりにした。大きな声で患者に話かける姿は広々としたリハ室ではひときわ目立つ存在になってしまうのは言うまでもない。

二つの施設で撮影を終えた頃に、三輪書店の社長から小林先生を冨田先生と対談させてみたいと言う話があった。この話を伝えた時、冨田先生の反応を良く覚えている。もちろん小林先生の事も知らなかったはずだし、小林先生の書籍も読んだことがない状態だった。

「面白そうだね、その本読ませてよ」

冨田先生が対談を承諾するただ一つの条件は、「小林先生の体を触らせて欲しい」それだけだった。

この段階では、三輪書店の編集内では、冨田先生の治療本、二人の対談本の二つが同時進行すると言う状況だった。

続きは,次回、、、。